
デジタルブックの大きな魅力
オプション、ヘッジ、その他のデリバティブ商品にも同様の自己強化的な性質がある。
ヘッジファンドのマネジャーやその他の投機家は、証券を売買せずにじかに通貨の売買を行うこともある。
銀行も、自己勘定でも顧客のためにも同様の活動を行っている。
銀行は通貨市場においてはヘッジファンドよりはるかに重要な存在だが、アジアの通貨混乱でソロス・ファンド・マネジメントのようなヘッジファンドがある程度関与したことは、認めなければならない。
ヘッジファンドは、相対的な実績より絶対的な実績を重視する傾向があるので、トレンドの変化を引き起こすことに積極的に関与する可能性が高い。
むろん、その変化が望ましくない場合は、彼らは批判にさらされるが、トレンドが持続不可能な場合には、早めに反転した方が遅れるよりいいに決まっている。
たとえば、私の投資会社が運用しているクォンタム・ファンドは、一九九七年一月にタイ・バーツを空売りすることで、タイ・バーツが過大評価されているかもしれないという合図を送った。
当局がこれに反応していたら、もっと早い時点で調整されて、これほどの痛みを伴わずにすんだだろう。
ところが実際には、当局は抵抗し、そして破綻が来たときには、悲惨な状態になった。
真の問題は、通貨投機が好ましいか否かということだ。
実際の展開を証拠としてみると、今回の危機では、自国通貨を自由に交換できる国の方が、通貨取引を何らかの形で管理している国より大きな痛手を被っている。
タイはマレーシアより開かれていたから、タイの方が逆流が大きかった。
中国と香港では、香港の方が銀行・金融システムははるかに健全だったにもかかわらず、中国の方が混乱は小さかった。
しかし、この証拠は決定的なものではない。
めていなかったが、危機は東南アジアと同じくらい深刻だったし、いない。
この問題は、銀行の役割と密接に関連している。
韓国はウォンの自由な取引を認中国についてはまだ結論は出て各国にはそれぞれ銀行システムと規制当局があり、それらがステムを形成している。
システムの中枢に位置するいくつかの大銀行は、国際取引に大きくかかわっているので、国際銀行の資格を備えているといえる。
国際銀行は一般に複数の国で、国内銀行を所有したり、消費者信用などの国内業務を行っている。
ところが、現在の危機に巻き込まれた国の大部分は、銀行システムが比較的閉鎖的で、外資系の国内銀行はほとんどみあたらない。
香港とシンガポールは例外で、両国の大手行は国際銀行の資格を備えている。
日本の銀行、また最近では韓国の銀行も、国際銀行業務に手を出してはみたものの、結果は惨惜たるありさまだ。
表7ーに示すように、不良債権(返済の見込みがない貸金)の推定額は、アジアだけで二兆米ドル近くにのぼる。
国際銀行と国内銀行は、融資の限度額を定めた信用供与枠でつながれており、その枠内で為替取引、金利スワップなど、さまざまな取引を行うことができる。
比較的長期の信用を通じてかかわることもある。
信用供与枠も融資もドルもしくは他のハード・カレンシーで固定されている。
公式または非公式にドル・ペッグ制を採っていた国では、国内銀行や借り手はペッグ制が維持されるものと思って、一般に為替リスクに対してヘッジしていなかった。
ペッグ制が破綻した時、彼らは自分が多額のカバーしていない為替リスクを抱えていることに気づいた。
彼らは一斉にカバーをとりにはしり、自国通貨に途方もない圧力をかけた。
通貨は急落し、借り手の財務状況はにわかに悪化した。
たとえば、タイで最大、最強の企業、サイァム・セメントは、期首資本金が四一三億タイ・バーツ、一九九六年度の利益が六八億タイ・バーツであったのに対し、五二六億タイ・バーツの損失を計上した(注3)。
体力の弱い企業の受けた打撃ははるかに深刻だった。
借り手の多くは、借り入れた資金を不動産購入に充てていたが、ペッグ制が破綻したときには、不動産価格はすでに下落していた。
にわかに為替リスクばかりか信用リスクも生まれ、貸し手の与信意欲は減退した。
それに、外国人投資家が下落する市場から逃げ出したことも加わって、自己強化的な過程がスタートした。
その結果、一九九七年六月から一九九八年八月末の間に、タイ・バーツは四一%、タイ株式市場の株価も自国通貨建てで五九%下落した。
両者をあわせると、ドル・ベースでの損失は七六%にものぼった。
これは、一九一九年から一九三三年にかけて八六%の損失を出したウォール街の大暴落に匹敵する。
パニックは金融市場を通じて近隣諸国に波及した。
私はその状況を建物を解体するための巨大な鉄球に例えたが、この金融伝染病を現代版ペストと呼んだ人もいる。
新たに混乱に見舞われたこれらの国々の中には、不均衡がさほど目立たない国もあったが、それはなんの防御にもならなかった。
マレーシア経済は過熱してはいたが、流動性の拡大は主として国内におけるもので、貿易赤字はきわめてつつましかった。
インドネシアのファンダメンタルズはきわめて健全に思われた。
インドネシアの最大の問題は、自身問題を抱えていて貸し付けを更新するどころではない韓国と日本の銀行から、多額の借り入れをしていたことだった。
香港ドルが攻撃されると、通貨評議会(党換外貨準備保有制度)システムが金利を上昇させる働きをし、それが不動産価格や株価の下落につながった。
香港の銀行と取引していた国際銀行は、それまで意識していなかった信用リスクに気づいた。
国際銀行は、バック・ツー・バック金利スワップ径4)取引を行う際は、双方が同額になるものと想定していた。
ところが今、為替レートが変動すれば、香港の銀行が彼らに支払うべき金額が、彼らが香港側に支払うべき金額を上回ることに気づいたのだ。
このため国際銀行は香港への信用供与枠を引き下げざるをえなかった。
一部の銀行が事実上、保証債務を履行できなくなっていた韓国では、信用リスクはさらに大きな問題になった。
金融危機がまずタイを、次いで韓国とインドネシアを、IMFの支援要請へと追い込むまでに長くはかからなかった。
IMF(国際通貨基金)の前に立ちはだかったのは、かって直面したことのない問題だった。
アジア危機は、通貨要素と信用要素が絡み合った複雑な危機だった。
そのうえ、信用危機は、国際的な要素と国内的な要素からなっており、これらさまざまな要素のすべてが相互に関連していた。
アジア危機がIMFが過去に直面したどの危機とも異なっていたのは、それが民間部門に端を発した危機であり、公共部門の状態は比較的良好な点だった。
IMFは、通貨を安定させ、国際投資家の信認を回復するため、金利を引き上げ、財政支出を削減するという伝統的な処方を打ち出した。
同時に、各国の構造上の欠陥も認識しており、不健全な金融機関の整理等、各国の実情に即した条件を課した。
しかし、IMFのプログラムは、危機の一部の側面に対処するものでしかなく、すべての側面に取り組んではいなかったため、効果をあげることはできなかった。
さまざまな側面が相互に関連していたのだから、個別の解決は不可能だったのだ。
とりわけ、債務問題に取り組まないかぎり、通貨の安定は望みえなかった。
デジタルブックをお探しの方へ。一流のデジタルブック技術のご紹介です。
デジタルブックで悩んでいませんか?デジタルブックを導入してみる価値はありますよ!
結局デジタルブックです。デジタルブックに有効な成分の紹介です。
仲間と一緒に電子カタログの発展性を考えてみました。特徴のある電子カタログです。
人気キャラクターを題材にした電子カタログの方法をご存知ですか?電子カタログをメインとした企画です。
どんな人にも電子カタログだけ買えば良かった。電子カタログの総合販売サイトです。
